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3.連想記憶のモデル

連想とは,パターンからパターンへの対応づけです.この対応づけは異なるパターンの間で行なうのが一般の解釈だと思いますが,自分自身への対応づけも連想と呼んでいます.前者を相互連想,後者を自己連想といいます.

神経型システムに望まれる(備わっていると考えられる)性質は,パターンが厳密に一致していなくとも柔軟に情報処理を進められることです.そのためには雑音を取り除く性質が不可欠で,その雑音除去能力のみに注目するのが自己連想です.

なお,相互連想を次々に行なえば,系列の連想を構成することができます.そして,ひとつの回路網に自己連想と相互連想(系列連想)の機能を同時に組み込むことも容易です.

ここでは自己連想を基本に説明します.

連想記憶の動作には蓄積(storage)と再生(recall, retrieval)の2つの過程があります.蓄積は学習(learning)のことです.再生というと,蓄積パターンを探すような振舞いを想像するかもしれませんが,実際には,各素子がそれぞれ独自に状態更新を行なうだけであることに注意してください.モデルのその状態更新をひとが解釈したときに,記憶を再生しているように見えるのでこう呼ぶだけです.


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