「の」テスト回答の分布 2008年11月版

茨城大学 > 大学院理工学研究科 >[情報工学専攻電気電子システム工学科] > 人間情報工学研究室

みんなの科学(仮称)へ ]


2007年6月版] [2008年5月版] [2008年11月版

2008年12月30日(火)
hirofumi.yanai.2718@vc.ibaraki.ac.jp

「の」テストは,何の細工もない,通常の文章中の「の」の個数を数えるテストである(*)

文字通りの「の」を数える.カタカナの「ノ」は数えないし,「農業」のように発音に「の」が含まれる文字も対象外である.

10年ほど前から,年に一度程度,大学の授業中に「の」テストを実施してきた.人間の性質(特性)を実感する課題として実施し,毎回,正解を明かした瞬間の学生たちの反応は純粋な驚きに満ちていた.

しばらくは,そのときどきの記事などを素材にテストを実施してきたが,より一貫性の高い調査とするために,2005年6月からは同一の文章を用いてテストを実施している.2008年5月までの間に,メディア通信工学科1年生および高校生を合わせて324人分のデータを集めることができた.

これまで実施したすべての結果を総合した結果と,2008年11月のテスト結果は図のようになる.全324名の回答の平均は22.0,2008年11月の平均は20.8であった.なお,正解は30個である.

実験の手順は以下の通りである:

  1. 用紙を裏返しておく.
  2. スタートの合図の後,用紙を表に返し,手で持って「の」を数える.
  3. 数え終わったら用紙を机に置く → これにより,数え終わったかどうかが一目瞭然となる.
  4. 答をメモする.
実験に際しての指示は以下の通りである:

(*) これは,『情報処理入門コース 8「統計処理」,吉澤 正著,岩波書店,1992年』に「の」の字テストとして紹介されているものである.

【備考】このテストは普通の文章であれば同様の結果が得られますが,同じ問題で試してみたい場合にはお問い合わせ下さい(メール:hirofumi.yanai.2718@vc.ibaraki.ac.jp).