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特徴のあるパターンを用いると,偶然,或いはそのような特徴を発見するのが得意,などの理由で結果に偏りが出る可能性があり,意図する現象を捕まえることができませんので,ランダムに作成した20のパターンのうち最も記憶に残りにくいものを選び,最終的な実験に用いることにします.
パターンは次のように準備しました.
- A4判の紙に直径1.4[cm]の円をランダムに10個配置したものを20枚用意する.ただし,円は重なりや接しはないようにする.
- 20枚のパターンから4群の記憶パターン(各群10枚)を作る.4群の作り方は,まず20枚を10枚ずつに分け2群とする.次に,それとは別の分け方で20枚を10枚ずつに分け,新たな2群を作る.
実験方法は次の通りです.
5人の被験者が,それぞれ,4群の記憶パターンすべてについて,時間を改めて実験を行ないます.
- 記憶パターンを記憶する(1分間).その後,同じ大きさの紙に再現する(よう努力する).これを10枚すべてについて行なう.
- 休憩3分間.
- 記憶パターンとして選ばなかった残り10枚を加えてランダムに並び替えられたパターンを1つずつ見て,記憶パターンにあったかどうかを確信度で答える.確信度は1〜5の整数で,5:絶対見た,4:多分見た,3:分からない,2:多分見ていない,1:絶対見ていない.
被験者の答えに表2の得点をつけます.得点の最も低い7枚のパターンを選び,最終的な実験の記憶パターンとします.最も得点の高かったパターンが4.85点,選ばれた7枚のパターンの得点は3.35〜3.80点でした.
確信度(記憶パターンだった場合) | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
確信度(記憶パターンでない場合) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
得点 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
表 2: 確信度と得点の対応関係.
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矢内 浩文