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予備的実験

Wilton and File (1975) は,小さな円をランダムに配置したパターンの記憶・再認課題を通して

と結論しました.その際に用いられたパターンは,円が比較的隣接しているもの,隣接性のないものの2種類でした.

Wilton and File (1975) の追試を行なってみました.パターンの作り方は以下の通りです.

実験条件或いは方法は以下の通りです.

結果は表1と図1にまとめてあります.

 

 

ある→ある ない→ない ある→ない ない→ある ある→ ない→
分からない 分からない
R N R N R N R N R N R N
例数 61 68 40 50 26 28 13 7 13 4 7 3
比率 0.610 0.680 0.667 0.833 0.260 0.280 0.217 0.117 0.130 0.040 0.117 0.050
例数 129 90 54 20 17 10
比率 0.645 0.750 0.270 0.167 0.085 0.083
表 1: パターンの再認実験結果.Nは記憶パターンに含まれる12個の円から隣接する6個を,Rはランダムな6個を,試験パターンとした場合.

   figure139
図 1: パターンの再認実験結果.Nは記憶パターンに含まれる12個の円から隣接する6個を,Rはランダムな6個を,試験パターンとした場合.

表の表現は,「ある→ある」とは,記憶パターンに``ある''ものを正しく``ある''と答えた場合,「ない→ある」とは,記憶パターンに``ない''ものを誤って``ある''と答えた場合,などです.

16枚の試験パターン中10枚(N, Rそれぞれ5枚)が``ある'',残り6枚が``ない''です.そして,被験者が20人なので,例えばN-パターンで言えば,「ある→ある」の総数は tex2html_wrap_inline378 ,「ない→ない」の総数は tex2html_wrap_inline380 です.


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矢内 浩文